MIORINGでは伝統を守りながら革新する「日本の職人の心」を大切にして指輪をお作りします。
千数百年の歴史を持つ日本の「鏨(たがね)彫り」は和彫りとも言われ、金属に生まれるダイアモンドのような輝きが特徴です。左手に鏨を持ち、右手で小槌を叩いて手前に引きながら模様を彫刻する独特な手法です。叩き込むことで無数の面が作られ、ダイアモンドの表面ようにキラキラとした輝きが生まれます。
両手を使う彫刻は難易度が高く、習得に長い期間がかかります。このため現在では熟練の彫師が大変少なくなりました。「鏨彫りをすれば美しくなる」というわけではなく、表現力が豊かなため技術の良し悪しを素直に表します。技量の差がよく現れるのは毛筆にも似ています。
MIORINGの彫刻は江戸時代から系譜の続く「伝統工芸士」が手彫りしています。ブライダルリングの彫刻としての視点だけではなく、一点の伝統工芸としてトップレベルの品質を目指しています。
和紙の風合いをそのまま貴金属にするMIORING独自の技です。国内の様々な和紙の中から日本三大和紙の一つである美濃和紙を厳選し、凹凸の強いものを使用しています。
手漉き和紙から凹凸感の強い部分だけを選び、特殊な溶液に漬け込んで乾燥させる下処理を行います。指輪の形に切り出して原型に貼り付けた後、石膏で固めた上で加熱し、超高温で溶かした金属を注ぎます。燃え尽きた和紙の形通りに貴金属が固まることで、和紙の風合いがそのまま貴金属になります。
紙そのものは燃え尽きて金属と入れ替わっているため、剥がれ・破れは起こりません。耐久性は通常のプラチナやゴールドと同様のため長期間にわたって安心してご着用いただけます。
MIOIRNGは鍛造(たんぞう)・鋳造(ちゅうぞう)の両方を使用して指輪をお作りしています。高い品質を目指すためにいずれかを否定することなく、それぞれのメリットを活用します。
鍛造製法の主流はプレス機械による量産ですが、MIORINGは伝統的な自由鍛造(じゆうたんぞう)を守っています。日本刀作りのように金属の塊を繰り返し加熱・冷却しながら手作業で叩き、削り出して形作るものです。職人と金属が対話しながら素材の限界まで鍛え上げます。
加工の難易度が高い代わりに曲線や幅の強弱を表現することができ、鍛造でありながらデザインの自由度が高いのが特徴です。命を吹き込まれた素材の硬さ、張りのある輝き、重厚感をご体感ください。
18金桜ゴールドはMIORINGの工房だけで配合する貴金属素材で、肌になじむほのかな桜色が特徴です。
ピンクゴールドに近い配合をもとに白金族(プラチナの仲間)の素材を使用しています。国際基準であるK18(18金)の品位でありながら一般的なプラチナよりも硬く、メッキやコーティングは施さないため変色の心配もありません。アレルギーの原因となりやすいニッケルや卑金属を一切使用していないため、多くの方に安心してご着用いただけます。
配合と加工が極めて難しく、加工が自由鍛造(じゆうたんぞう)製法に限られているため、一日数本ずつ少量生産します。素材に手間をかけることで引き出せる奥ゆかしい美しさをお楽しみください。
白金族(プラチナの仲間)のレアメタル『ルテニウム』を使用した黒色コーティングです。艷やかな漆黒の皮膜で指輪を包み、フォーマルな雰囲気に仕上げます。
ルテニウムは硬度が高く、貴金属の表面に強固に固着するため一般的なメッキのようにパリパリと剥がれることはありません。着用で指輪の表面が削れるのとともに数年(数ヶ月から3年程度)かけて落ちていきます。表面の凸部分から摩耗し、彫刻などの凹部分は長期間にわたって黒色が残ります。削れた後は燻し加工のシルバーアクセサリーのように金属と黒が混ざった見た目となり、味わいが深まります。
赤銅を除くすべての指輪に加工することができ、素材そのものの色で着用された後の加工、着用による削れの再加工も有料にて承ります。
模様を途切れさせることなく、指輪全周にわたって連続して彫り入れる技です。多くの全周彫刻に使われる唐草は永遠・絆・生命力などを象徴しており、途切れずに繋がることでその意味をいっそう強いものにします。5,000年ほど前にエジプトで生まれ、世界中に伝わりながら変化してきたと考えられています。
鏨彫り(たがねぼり)そのものが難しいうえに、和の唐草模様は模様を繋げるために大変な手間がかかります。模様の長さや数が指輪のサイズによって変わるため、全体のイメージとペアの雰囲気を大切にしながら一本ずつデザインを描いた後に彫刻しています。
絆が永遠に続くように願いを込め、お二人の指に合わせて手彫りするオーダーメイドの彫刻です。
古くから箸や重箱、椀などに使用されてきた天然樹脂です。みずみずしい艶と張りのある発色、やわらかな雰囲気は漆の最大の魅力です。千年以上前のものが現在まで残るほど耐久性が高く、縄文時代から使われてきたと考えられています。金属に染み込まないため通常は指輪に塗ることができず、MIORINGの特徴的な技術の一つです。
一度固まるとどんな酸でも溶かすことができず、固まった漆を溶かす物質は存在しないとされています。入浴や炊事など、十年以上にわたって問題なくお使いいただけますが、極度の乾燥によってまれにひび割れと脱落を起こすことがあります。リペアの塗り直しは何度でも無料です。
赤銅(しゃくどう)は刀のつば(手を守る丸や四角の部分)やかんざし(髪飾り)などに使われてきた美しく強い素材です。
純金と銅を緻密に配合して独自の煮上げ処理を施すことで酸化皮膜を形成し、黒と褐色の間で色が変わり続ける素材が完成します。武具などがほとんど作られない現在は幻の素材のように途絶えてしまいました。伝統工芸として伝わっており、ブライダルリングブランドとしてはMIORING独自の素材として製法と煮上げを行っています。
色は酸やアルカリに反応して変化するため、着用の環境によって変化や戻り方が異なります。1週間以内に変化する例もあり、ペアでも使い方や体質によってそれぞれ違う色に落ち着くことがあります。柔軟に変化を楽しむ素材です。
金やプラチナを加熱・冷却して伸ばし、硬度が戻ると再度加熱する作業を繰り返して糸になるまで細くします。この糸を撚り合わせ、強固なロープに編み上げたものが貴金属ロープです。ミル打ちよりも大きな粒感があり、豊かな輝きとともに伝統的な雰囲気が加わります。
絆や繋がりをあらわすため古くから愛され、日欧問わずアンティークジュエリーでよく見ることができます。手間がかかり量産に向かず、鍛造する職人の減少が重なり本物を手にする機会が減少してしまいました。
丁寧な編み込みによる輝きとともに、つなぎ目がわからないように一周巻き上げる職人の技にもご注目ください。
光を受けた水面のようにゆらめくハンマー模様。古くから武具や生活用品に使用されてきた鎚目は、素朴でありながら鮮やかにきらめく二つの顔を持ちます。
MIORINGの鎚目模様はシャープな凹凸と豊かな光沢を求めて丁寧に原型を削り出し、一面一面を磨き上げて表現しています。貴金属は長年着用することで傷がつきますが、強い凹凸が光沢の変化を作り立体感のある味わいに変化します。大らかさと凛とした強さの魅力をお楽しみください。
肌に触れる指輪内側には内甲丸(うちこうまる)仕上げにしています。内甲丸仕上げとは指のつけ根のカーブに合わせて指輪内側を研磨する技で、指に合わせたアーチ状になったリングは吸い付くようなつけ心地に仕上がります。
幅や形状の違う指輪を指に合わせて研磨するのは職人による手作業です。指輪をつけ慣れていない方も、フィット感が高い指輪は着用に慣れるまでの違和感を減少させます。デザイン性を重視した幅広のリングでも心地よい着け心地です。